ボーズグラッドラグスが展開するカテゴリー”Appalachian Trail Thru Hiker’s Furnishing”のご紹介
こちらは”Appalachian Trail Series”になります。
モデル名は「”COUG’S CLAW” Leather Round Braid Wristlet
(“クーグス・クロウ” レザーラウンドブレイド・リストレット)」
カラーは「BROWN」
使用素材は「ORIGINAL SILVER」を採用

【”COUG’S CLAW” Leather Round Braid Wristlet】
　“クーガーヘッドバングル”は、人類文明最古の装飾品の系譜に属すと紹介しましたが、
 今回登場の“編み革”の腕輪もそれに勝るとも劣らないプリミティヴな呪物です。
糸や植物の蔓、レザーレース（皮革の細紐）を編み、組み合わせ、撚り合わせるなどしてこしらえる装飾品は、
籠や綱（ロープ）など道具の歴史とともに進化し、古代文明は勿論、ごくごく近年まで我々の生活を支えて来ました。
ネイティヴアメリカン初め世界中の先住民の輝かしい文化遺産には、
必ずと言っていいほど、それぞれ独特な編み革のクラフトが存在し、固有の存在感を放っています。
今回の作品の本体ロープ部は、植物鞣しのレザーをカットしたストランド（平紐状撚り革）を8本取りにし、
手仕事で編み上げた丸編み（“8-Strand Round Braid”）。
頑丈かつ柔軟性に富み、まるで爬虫類の皮膚の如き伸縮性と美しさを備えています。
留めの部分は細革をターバン状に編んだ“Turk’s Head（トルコ人の首）”として知られる緻密な飾り結びになっていますが、
いずれもロープを撚り合せるための伝統的な技法、珠玉の匠がこの小さな腕輪に息づいているのです。
 そして、前作同様に神秘的なチカラを有する神獣をモチーフにしたフック部の装飾からは、
かつて人々がこのような日常使いの装身具に込めた思いや祈りの原風景を感じ取ることが出来ます。
腕輪とは腕や手に、聖なる獣の力を戴く為の呪物でした。
アパラチアン・トレイル踏破を目指す巡礼者にとって、北米大陸の山々の生態系の頂点に君臨し、
大地を鷲掴みにする“クーグス・クロウ（クーガーの鉤爪）”は、最強のパワーアイテムだったのです。
　編み革のロープパーツには鑑札か何かのようにシルヴァーのパイプ飾りが挟み込まれています。
薄銀板にハンドメイドの型を用いて叩き出したクーガーならぬ猫の刻印（ハンドハマー・スタンプ）が施されていますが、
これは大恐慌時代の流れ者ホーボーたちが使った仲間内だけに通用する隠語…暗号サインで、
落書き風おとぼけニャンコが意味するのは“Kind-Hearted Lady”…「（何かと世話してくれる）気立ての良い御婦人」と、
何やら下世話な含みのあるこんな微細で滑稽なチャームもまた、
古今東西、憚り乍ら旅往く身には欠かせない有り難くも物悲しい道中御守りというワケで御座います。